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ビールと本について書くブログ。時々 カフェとNFL

信じて根を張れ! 楕円のボールは信じ るヤツの前に落ちてくる(岩出 雅之) ブックレビュー8

こんにちは

アジュベです。

 

組織づくりに関する本をご紹介します。

帝京大学ラグビー部監督、岩出雅之さんの著作です。 

 

信じて根を張れ! 楕円のボールは信じるヤツの前に落ちてくる (単行本)

こちら、組織づくりといっても、具体的なルールに関してではなく、

マインドセットについて参考になる本です。

また、この本を組織づくりに関する本と捉えるかは

意見が分かれるところでしょう。

あくまで岩出雅之さんの、帝京大学ラグビー部監督時代

(もちろん現在も監督です)の自伝です。

 

この本がなぜ組織づくりにつながるのか、ですが、

 

まず私自身、組織づくりというのは、

メンバーのマインドセットが主軸になると考えています。

優れた組織に必要なマインドセットができていれば

メンバー一人ひとり、自分が何をすべきか自発的に考え行動するので、

細かいルールは必要ありません。

逆に、いくら細かいルールが規定されていても

マインドセット構築がなされていなければ自発的な行動は期待できず、

ただ言われたことをする人間ばかりになってしまいます。

 

そして本書では、岩出監督が帝京大学ラグビー部の皆さんと

コミュニケーションを取りながら優れたマインドセット

持たせるように仕向けてきたことが書かれているのです。

もちろん、練習の期間を絞ることで体力を浪費を防ぐ、

新入生に心理的負荷をかけないために、雑用は上の学年が担当するなど

具体的な施策も実行されています。

 

本書からの学びは、トップが組織をより良くしたいと思う時

メンバー各自が自分の頭で考え始めるように仕向け、

それを応援してあげることが使命なんだということです。

山本五十六さんの言葉が思い起こされます。

 

やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

自分がどこまで実行できているのか、

ふと振り返ってみると恥ずかしい心持ちになります。

 

さて、最後に

 

半年ほど前に岩出監督の講演を聴きました。

岩出監督が一通り喋ったあと、質問させていただきました。

 

「今の帝京大学ラグビー部は、自らが自発的に考え始めるような

 素晴らしい組織だと思いますし、そこに入った人は成長していくのだろう

 ということはわかりましたが、そもそもそのような組織づくりに向かう、

 初めの一歩はどうすればよいのでしょうか」

 

岩出監督からはシンプルな返答をいただきました。

 

「最初は小さなインセンティブを与えて行動させ、

 小さな成功体験をつくってあげるんです」

 

なるほど、これには合点がいきました。

本書に加えて講演も参考に、社内の意識改革を推進しています。

 

ではまた