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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件(楠木 建) ブックレビュー18

こんにちは、

アジュベです。

 

 戦略策定に関する本のご紹介です。

 著者は、楠木 建さんです。

 

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
研究者の書いた本だが、実務的
 
楠木氏は、一橋大学大学院教授で、専攻は競争戦略とイノベーション
一橋大学を卒業されてから一貫して研究者人生を歩んでこられた方であり、
企業の経営企画やコンサルファーム出身の、いわゆる“実務家”ではありません。
それでは本書が学術書的であり、実務への適用からは程遠いのかというと、
全くそんなことはありません。
 
ストーリーを重視した戦略の本
 
本書は、企業が市場で競争に勝ち残るための戦略策定の方法を
“ストーリーの”一貫性を重視するという立場から、
具体的な企業の事例を挙げながら説明しています。
 
コンセプトに合致したストーリーを構築
 
ストーリーの一貫性というのは、ビジネスにおける個々の施策が、
予め設定したコンセプトに合致しているということです。
ですので、まずはビジネスのコンセプトを磨き込むことが必要であり、
施策を決めるのはその後、ということになります。
例えば本書でも紹介されている、低価格運賃で有名なサウスウエスト航空
ローカル空港同士を結ぶポイント・トゥ・ポイント方式の路線構築や、
機内食の有料化は、“空飛ぶバス”というコンセプトを設定した結果
導き出された施策である、ということです。
 
成功を、“静止画”的ではなく、“動画”として説明
 
事例としては他にも、セブンイレブンマブチモーター
アマゾン、アスクルなど、ビジネススクールのケースに出てくるような
企業について記載されています。
しかし、この本独自の点は、企業が過去のある時点の問題へどのように対処した
ということではなく、企業が好循環に入ったということ、
それはどのようなストーリーが基になっているのかということを
説明している点にあります。
 
フレームワークで分かりやすく説明されている
 
また、フレームワークが用意されているので、
本書の内容を頭の中で整理することができる点、実用的です。
フレームワークについて少しだけいうと、
 
・“戦略ストーリー”の5Cなるものが存在し、それらを適切な順序で考えることで、
 “動画”なる、戦略ストーリーを構築できる
・戦略ストーリーには、強さ、太さ、長さが重要である
 
など。
フレームワークが出てくるところでは自分の会社に当てはめてみると
より本書を活用できるでしょう。
 
ビジネスパーソンのバイブルになり得る
 
一般的に“戦略とは何か”という問いへの答えは難しいと思うのですが、
“有効な戦略はどのように立てるべきか”には答えてくれている本です。
ビジネスパーソンのバイブルになる一冊でしょう。
 

ではまた