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大前研一 世界の潮流2018〜19 ―日本と世界の経済・政治・産業(大前研一) ブックレビュー15

こんにちは、
アジュベです。
 
大前研一さんの著書の紹介です。
 
初めにお伝えしておきますが、2時間くらいでサクッと読める本なのであまり気負わずレビューを読んでください。
 
大前研一 世界の潮流2018〜19 ―日本と世界の経済・政治・産業
大前 研一
プレジデント社
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詳細なご紹介をするまでもありませんが、大前研一氏は日本における戦略コンサルティングを切り開いた一人、元マッキンゼーコンサルタントであり、現在はBBT大学の学長をされている方です。
大前氏の経歴を書き始めると到底1回のブログで終わらないので、あまりにもさらっとした紹介であることはご勘弁&ご承知おきください。
ちなみに私と同じ大学・学部の先輩でもあります。
学科は違いますが。
 
大前氏は今でも頻繁に著書を出されており、それらの本はコンサルタントのみならずビジネスマンの知識や教養の蓄積、思考力の形成にとても役立つものだと思います。
大前氏のコンサルタントとしての貢献だけでなく、後進・人の育成にとても貢献されているという点で、素晴らしい方だなあと常々感心してしまいます。
 
政治・経済についての本です
 
さて、本書は日本に関わる、政治・経済についての最近の動向と展望について書かれた本になります。
第1刷発行は2018年4月18日ですが、語り口調から、執筆されたのは2017年12月頃までと推察しています。
 
やはり予測が的確
 
まず驚かされるのはその慧眼。
アメリカのティラーソン元国務長官の自身の発言によるトランプ大統領からの解任(その後解任された旨の脚注あり)や、イスラエルのアメリカ大使館のエルサレム移転の2018年5月の完了など、もちろん様々な情報を収集していたり、予想が外れることも多かったりするかもしれませんが、事前に明言してその通りになるのは舌を巻かざるを得ません。
 
納得できる論理性がある
 
結果は別としても、大前氏の論調に惹かれるのはやはりロジカルであるから。
GDPやマネタリーベース、株式時価総額まで、マクロなデータを使いながら短中期の動向を推測しているのですが、それが実に納得のいく論理。
なんとなくの思いつきで”日本はもうダメだ”とか”株式市場が過熱してて危ないよ”などとは誰にも言えるのですが、それをバックデータと論理を示して提言している、それが本書、ひいては大前氏の素晴らしいところだと思います。
 
今の大前氏は日本にとって希少な人材
 
普段、国や企業のあるべき姿を考えることもない人にとっては、理屈っぽいとか口うるさいと感じるかもしれません。
しかし提言内容や、このまま抜本的な改革を行わない場合の日本の衰退については筋が通っており、もしもこのような意見が異端であるならば、日本は衰退していくのだろうと思います。
 
まあ2時間くらいで読めるボリュームなので、あまり難しく捉えず、新聞の社説の延長線上くらいに捉えて読んでも損はないと思います。
コンサルタントは必読ですが。
 
ではまた