東京の歩き方 How to walk around Tokyo

ビールと本について書くブログ。時々 カフェとNFL

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か(エリヤフ・ゴールドラット ) ブックレビュー6

こんにちは

アジュベです。

 

先週末の台風21号が過ぎ去り、今日は茨城で気持ち良くゴルフができる思っていたのに

なんと2週連続の台風でコンペが中止になってしまいました。

 

とても残念。

スコア更新は年末頃に持ち越すとします。

 

その代わりにゆっくりと、読んだ本の紹介です。

 

 タイトルにある通り、企業は何を目的として活動しているのか、

それが小説仕立てに示唆的に書かれている本です。

 

舞台はアメリカのベアリントンという町、

工場長のアレックス・ロゴが工場閉鎖の危機に直面したところから

ストーリーが始まります。

 

内容は工場内での業務改善、生産性工場ですが、

テーマは先述の通り、企業全体の目的を明確にして、

それに向けてどのような行動をとるべきかということなので、

工場の現場の方のだけでなく、働く方全員一読の価値があると思います。

むしろ、生産性が低いと言われる日本のサービス業に従事する方が

読んだ方が役に立つと思います。

 

ただし、具体的な生産性向上のハウツー本ではないので、そこは要注意。

小説の中では、具体的に改善方法を考え実践していってるのですが、

この本で言いたいのは、マインドセットを持ち、自らの頭で考えて

行動することこそが重要、ということです。

そのことを読み手に意識づけるために500ページ超という、

ビジネス書にしては、また、小説にしても長い一冊となっています。

 

最近、私の勤める会社でも業務改善などが叫ばれています。

実際私自身、働き方改革と銘打って同僚と活動をするなかで、

本や雑誌で勉強したり、メンバーとのディスカッションを重ねて考えてきた結果、

やはり働き方改革や生産性向上のために必要なのは、

マインドセットなのだろうということです。

マインドセットが整っていれば自ずと問題発見、解決をするだろうし、

逆にマインドセットが不十分なら、どんなルールを作ろうが、

上からどれだけ指示をしようが十分な効果は出せないと思います。

 

本に戻りますが、本著の中に登場する物理学者のジョナという、

コンサルタント的にアレックスに助言するアレックスの恩師が伝えたかったことは、

自らの頭で考えることが重要だということ。

なので、業務改善の方法論での結論は出ませんが、

マインドセット構築のスタートラインは示されています。

 

余談ですが、この本、とある物議を醸したことがあります。

著者のエリヤフ・ゴールドラットさんはイスラエルの物理学者で、

自身、OPTというスケジューリングソフトを開発・販売したそうです。

本著はその解説本として発売したそうなのですが、

なんとソフトを買わずに本を読んだだけで、

生産性がOPTを使用したケースに匹敵するほど向上した工場が続出したとのこと。

当然OPTはBtoBの高額なソフトなので、

OPTの顧客に対して面目が立たなかったことでしょう。

 

 

ページ数の多さに怯みそうになるかもしれませんが、

小説風だからこそサクサク読み進められますし、

アレックスの妻との関係など、本筋でないところは読み飛ばしても大丈夫です。

私はがっつり読み込みましたが。

 

対処療法的な働き方改善のハウツー本は最近書店でよく見かけますが、

働き方改革をブームで終わらせたくない人はぜひ読んでみてください。

 

ではまた